2016年12月24日土曜日

生き物たちの写真

それぞれの項目をクリックしてください。
 なお、それなりに調べていますが、専門家ではありませんので、同定ミスがあるかもしれません。恐れ入りますが、それぞれご確認ください。


 このブログには、根本さんの昆虫ノートも掲載しています(各年5月~8月)。日付をクリックしてください。甲虫屋さんの見方がわかります。
 蛾は特に、微妙なので、そのまま信用せず、ご確認ください。


 クモも微妙。sp.が増えそうです。
 五斗蒔2015年11月号掲載のNさんの写真です。今後の追加を期待しています。

 間違いなどがありましたら、以下アドレス(#を@に変えて)まで、ご連絡のほどお願いします。 
 tsukubasanae2014#gmail.com


2016年4月25日月曜日

2016.04.25 根本さんの甲虫ノート

 本年は暖冬で冬物が売れず、ユニクロも大赤字になるほどだった。サクラの開花も例年よりも早かったのだが、四国・九州では関東より遅れ、大雨が続いた上に熊本では大地震も起き、ここ数年日本列島は災害列島となっている。
 家で飼っているオオクワガタとヒラタクワガタも3月末位から室温が20°c以上になると動き出し、エサも少々だが食べている。4月に入ると気温がいっきに上がり、20°~25°cという最高気温を記録するようになった。昨年は、4月23日から大池に行きはじめたので、今年もその辺りを目安に甲虫の調査を始めようと思っていたのだが、なかなか条件がそろわずいけないでいた。

4月25日(月)晴れ時々曇り 10°c~23°c

 4月23日(土)に「宍塚の自然と歴史の会」のTさんから℡があり、宍塚からは大池を挟んで反対側(南側)の上高津貝塚近くの宍塚地内で、クリストフコトラカミキリらしきものの写真を撮ったとの事。
 クリストフコトラカミキリと言えば、私が相模湖町の景信山(かげのぶやま)付近へ行くようになった理由の一つだ。近年では、首都圏近くでは確実にいると言えるのは、ここくらいしかないという話をベテランマニアから聞いたためだった。しかし、あの付近には50回位行っているのに、全く見ることができなかったカミキリだ。それがまさか大池付近にいるはずもないと思っていたので、キスジトラの間違いではないかと思ったが、昨年のクビアカトラの事もあるので、Tさんと行ってみることにした。
 宍塚のバス停近くで待ち合わせをしてPM12:00頃に会った。すぐに写真を見せてもらったが、間違いなくクリストフコトラカミキリがそこに写っていた。私の普通のデジカメと違って、立派な望遠レンズのついたデジタル一眼レフカメラなので、写真の出来がまるで違う。これならば接写の必要がないので、撮影は楽だろうが、トラカミキリの仲間は小型の上動きが速い。ズームにすればするほどとらえるのは難しいだろうから、これはこれで大変だ。
 それにしても昨年のクビアカトラといい、今回のクリストフコトラにしても今では珍しい種で山梨や秩父でさえそう採れない種だ。それが、こんな身近に生息していようとは夢にも思わなかった。
 Tさんの車に乗せてもらい現場へと向かう。宍塚のバス停付近から土浦岩井線に出て、少々行ったところで雑木林の中に入っていく。付近には住宅もあり、そう林の奥へ入っていくという感じではない。出発点からは2.5km位の所だ。宍塚・上高津・下広岡の境界線あたりで、これならば宍塚バス停からもイオンモールからも歩いて行ける所だ。真夏の暑さの中、山道を4~5km位は歩いているので、往復してもそう大変ではない。
 現場は、「宍塚の自然と歴史の会」の所有地なので、200坪ほどの雑木林がきれいに整備されている。間伐や下枝切り、下草刈りまでされていて、本来の昔ながらの雑木林となっている。入ってすぐの所に60cm程に切られた伐採木があり、コナラ、ヤマザクラ、スギなどが30本程ある。早速、2人でコナラ材を中心に見ていく、時刻はPM12:30くらいで陽光も照りつけかなりいい感じだ。クロハナムグリが産卵に来ていて、ざっと見ても12~13頭くらいはいた。通常、コガネ、ハナムグリ、カナブンは腐葉土に産卵するが、これだけは別だ。スギの伐採木には、おなじみのヒメスギカミキリが多数来ていた。早出のカミキリの代表格なので、出現期が例年より少々早い程度だ。
 クリストフコトラを見つけようとコナラ材をみていると、Tさんがすぐに1頭見つけた。しかし、思っていたよりも方が小さい上に動きが非常に早い。積み上げられた材の上や間を移動するのでネットが使えない。仕方なくしばらく見ていると姿を消してしまった。それから15分後位に、またTさんがクリストフコトラを見つけた。私は老眼がひどく、老眼鏡も持っていたのだが、これだと全体を見渡せないので、どうもこういった場所は苦手だ。しかもクリストフコトラは想像以上に小さく動きが速い。しかし、運よく私のいる方へ向かって来る。こうなったら、手で捕まえる方が確実だ。近くなので老眼鏡でもよく見える。こういった時は迷いなく捕まえるのが一番だ。親指と薬指に唾を付けて一気に捕まえる。ここは長年の経験、うまく捕まえた。通常ならこのままサイドバッグの中なの毒管にいれておしまいなのだが、Tさんが撮影用の小型のビニール袋を広げてきてくれた。「いいです。」とも言えないので、入れたつもり指にくっついて離れない。バタバタしている間に飛んで逃げてしまった。まあ、こういう事もよくあるので何とも言えないが、その姿ははっきり確認し、クリストラコトラであるのは間違いなかった。
 その後も陽光はよく当たっていて、クロハナムグリやカミキリモドキなどが次々やってくる。PM1:00近くに鶴田さんが見つけたとの事。これは出てきた場所がよく、ネットで捕ってビニール袋に入れた。大きさは10mm前後で図鑑のアベレージサイズよりは小さいが、今日来た中では一番大きかった。カミキリに限らず甲虫は蛹化の早いもの程小型なので、今はまだ出始めといった所だ。
 ただ、この頃からクモがかかり出し陽光がさえぎらるようになった。PM2:00くらいまで粘ったが、ヒメスギカミキリさえ極端に少なくなった。仕方なく、本日の採集はここまでとなった。Tさんが捕まえたクリストフコトラをもらい毒管にいれたが、マニアというものは確実に自分一人だけで捕まえないと満足がいかない。ただし、ここに確実にクリストフコトラが、交尾や産卵にやって来ることはわかったので、次回が楽しみだ。
 帰りにTさんと別れてからまだ時間があったので、一応、いつものコースを歩いてみたが、ヒメスギカミキリとトラフコメツキ(写真1,2)、


ヒラタアオコガネ(写真3)
位で大したものはいなかった。それにしても、クリストフコトラカミキリを逃したのは何としても悔やまれてならない。これがマニアの変質狂的なところだ(写真4,5,6)。
  
ウワミズザクラも咲いていたが(写真7)、
クロハナムグリだけだった(写真8)。



2015年8月10日月曜日

2015/08/10 根本さんの甲虫ノート

8月10日(月) 晴れ時々曇り 26℃~33℃

 ここ2週間以上、猛暑というより酷暑といってもいい日が続き、連日34℃~36℃といった最高気温を記録した。この暑さではさすがに甲虫の調査に行く気も失せた。すでに平地ではシーズンを過ぎたし、低山地でも夜間採集でもしないと甲虫の種は限られる。狙えるのは、カブトムシ、クワガタ、大型のカミキリと遅出の一部の種だけだ。まずは宍塚側入り口の近くの残った伐採木から見ていこうと思ったが、予想以上に草や竹が生い茂り、奥まで入れそうもなかった。(写真⑪1-2)  



それでも前回、カブトムシの♀を捕まえた2つの切り株までは行けそうなので、草をかき分けて近づいてみると、前回の切り株とは違う、もう一つの切り株にカブトの♀とカナブンが来ているのを見つけた。(写真⑪3-4)


  
静かに近づくと、前回のものよりやや小型のカブトの♀と1頭とカナブンが3頭、盛んに、樹液をあさっている。かなり近くで接写しても全く意に反さず、樹液をなめるのに必死だ。また、切株の側面にはナガゴマフカミキリも来ていた。(写真⑪5)


それにしても今年はカナブンが多く、シロテンハナムグリと共に飛んでいる姿をよく見かける。その反対に、街で多く見かけたカナブンとアオドウガネは街なかでは例年の1/10程度しかいない。何か相関関係があるのかまでは分からないが、事実としてそうなっている。オオキスイもいたのだが、これは接写をしようと近づいた途端深い下草の中に落ちてしまった。
 次にオニグルミのある広場へと向かう。まずはトラフカミキリが出ているであろう太いクワの木を見て回る。しかし、いくら見てもトラフを発見することができない。新しい食痕もいくつかあるし、樹液も出ているのだが、いくら見ても全くいない。暑さのせいで20日近く来なかった間に出現したか、これから出るのかはわからないが、今までの記録を見ると、どうも前者のようだ。カミキリは、種によって違うが、出現期は短く、者によっては、10日~2週間くらいだ。特に、トラフカミキリの場合、茨城県の平地では、7月後半~8月前半に出現する場合が多く、その年の気候や温度によって違いはあるが、すでに出てしまった可能性の方が高い。結局、このクワノキでは、キボシカミキリを見つけただけで他には何もいなかった。(写真⑪6)


仕方がないので、オニグルミとその奥にある若いコナラの低木を見ていく。以前はオニグルミにもノコギリクワガタがいたが、最近はほとんど見ていない。太いものは一応全部チェックしたが、これといったものはいなかった。ここのように日光がよく当たる大木となったオニグルミは、木のかなり上でないと樹液が出ていないので、奥にあるコナラの低木の方が甲虫を狙える。下草やクモの巣の具合から見ても人はあまり入っていないようで、最初に見たコナラの低木のすぐわきに中型のノコギリクワガタのオスの死体があった。(写真⑪7-8)

  

アリに食べられた様子もなく、まだ新し死体で2日から3日程前にこの木の樹液に来て、自然死したようだ。この一番よく人の集まるような場所にも、ノコギリクワガタがいたという事になる。更によく探っていくと、根元が木屑だらけになっているコナラの低木で、コクワガタの♂♀1頭づつを見つけた。♂は小型だが、♀は中型で、最近ではなかなかのものと言えるので、♀だけをブリーディング用に持ち帰ることにした。(写真⑪9-10)


  
その後も、この近辺を探り、プレハブ小屋の裏のクズの葉上で7~8頭のコフキゾウムシを見つけた。通常、コフキゾウムシは緑色なのだが、その名の通り、粒上のもので全身が覆われているので、ここのもののように、白だったり、黄緑色だったりと色彩の変化は多様だ。ペアのものだけ接写をしてみたが、この日は風が強くクズの葉が大きく揺れるので大変だった。(写真⑪11-12)


  
 その後は、いつものコースへ戻ったが、とにかく日射を受けていると厚く、下着やシャツは汗でぐっしょりとなり、どうしようもない状態となった。幸い、今日は大きなボトルを持ってきたので、水分補給は充分なのだが、紫外線が刺さるように強いそれでも、途中のコナラの大木でクロカナブン1頭とカナブン3頭を見つけた。クロカナブンは今年初めて採ったので、採集した(写真⑪13)


この木には以前はカブトムシも多かったのだが、去年、今年とまだその姿を見ていない。クロカナブンやカナブンが来るほど樹液が出ているのに、なぜいないのかは、カブトムシに聞いてみないと分からない。ここからは時間の関係上、いくつかのポイントをチェックするのを最優先し、余り欲張らずに調査することにした。前回良型のカブトムシの♂♀やコクワガタを採ったクヌギに向かう。ここは林道から10mほど入るので、一般の人はまず来ないところだ。しかも、樹液が出ているのが根元付近なので、ただ歩いていたのでは発見しにくい。また、見つけたとしても常にスズメバチが複数いるので、そう簡単には手を出せない。まず、樹液の出ている付近を見ると、良型のコクワガタ♂2頭♀1頭、カブトムシの良型♂♀が1頭づつ、(写真⑪14)


カナブンは5~6頭来ていた。この良型と書いたコクワガタとカブトムシは、近年では余り見なくなった昔のサイズのものだ。特にコクワガタの♂は久しぶりに見る黒色で小型のヒラタクワガタかと思うほど立派だ。(写真⑪15)


下草や落ち葉を静かにどけてみると、多数のコクワガタやカブトムシが出てきた。(写真⑪16-17)コクワガタは型の良い♂2頭と♀2頭を持ち帰ることにした。しかし、残念ながら、この日はノコギリクワガタはいなかった。


  
 この後はゲンベーヤマ付近の伐採木を中心に見ていく。及川さんの話の通り多数の数の木が伐採されているのだが、温帯照葉樹は6~7割なので、来年になってみないと詳しくは分からない。それでもキイロトラカミキリやナカジロサビ、ナガゴマフなどが来ていた伐採木もあるので、来年が楽しみだ。そのような中の伐採木(写真⑪18-19)に、カタジロゴマフカミキリが来ていた。これは今までに何度も記したが、この時期に多いナガゴマフと比べるとずっと少ないので採集した。(写真⑪20)




また、近くの伐採木にナガゴマフもいたので、比較するためにこれも採集した。(写真⑪21)


似ていて少しわかりにくいかもしれないが、左側の触角(アンテナ)が欠けているのがカタジロゴマフ。右側がナガゴマフだ。(写真⑪22)


 林に入ると陽光が遮られ涼しくなる。しかし、これが問題で、間伐や下枝打ちがされていないので、これだけのクヌギやコナラを中心とした林なのに、甲虫の姿は少ない。(写真⑪23)


10年前くらい前まではノコギリクワガタやシロスジカミキリなどもかなりいたのだが、今は見られない。時間も6:00PM位になってくると、だいぶ涼しくなり、クワガタなども出始める。今でも確実にノコギリクワガタの狙える出口付近のクヌギの大木へと急ぐ。ここは南西から西にかけて陽光がよく当たるので、クヌギも太く樹液を出しているものが多い。こうした陽光のよく当たる所では太い枝も地表から2~3mの所から出ているし、樹液の出る場所も多く、意外に低いところでも樹液の出ているところがある。(写真⑪24)


この付近のクヌギの大木は、ほとんどがポイントといってもよく、これまでも多くのノコギリクワガタを捕まえているので、出てくる場所も大体把握している。日も暮れはじめ、タイミングも超といいので、慌てずゆっくりとポイントを見て回る。たまにコクワガタが姿を見せるが、型は中程度だ。30分以上、この50m程の所を行ったり来たりして見たが、なかなかノコギリクワガタの姿を見つけられない。だいぶ暗くなってきた頃、この付近では、補足あまり目立たないクヌギの木で、中型のノコギリクワガタの♂を見つけた。(写真⑪25)


しかし、細いといっても、直径は20cm程で、高さは10m位ある。その上、そのノコギリはちょうど中間付近の5m位のところにいる。私が背伸びをしても、1.8mのネットでは3.8m付近までしか届かない。どうしようもなく、しばらく見ていると、4m程の所にある洞から2頭目と3頭目が出てきた。何れも大きさは同じくらいの♂だ。それならばと思い、こうした時の為にリュックに入れてあるビニールひもを取り出し、近くにあった2mほどの枯れ枝にネットを結びつけた。さあ、これで捕まえられると思い上を見ると、3頭とも上へ上へあがっていく。どうにか一番下のものは射程距離なので、強引にネットで下から着くと、うまくネットの中に落ちた。あまり大きくはないが、大顎がの湾曲した中型のもの1頭を捕まえることができた。(写真⑪26-27)


  
しかし、他の2頭はかなり上まで登ってしまった上に、辺りはだいぶ暗くなってきて、視認するのも難しい。懐中電灯もいつもリュックには入れてあるが、どう考えても採るのは難しく、時間も7時を回った。ここで欲を出してとったところでどうということもないので、ここはさっぱりあきらめて帰ることにした。
 なお、このノコギリクワガタの♂は、現在、9月14日だが、捕まえてから1ヶ月以上元気に生きている。




2015年8月8日土曜日

2015/08/08 根本さんの甲虫ノート

8月8日(土)

 大池とは全く関係ないのだが、前回捕らえたカブトムシの♂と♀は2頭ともまだ元気だ。もう20日近くたつというのに、大型の衣装ケースの中で甲虫ゼリーを食べまくっている。以前は、国内外の甲虫のブリーディングをやっていたので、そのノウハウには通じている。クワガタ、カブトムシはもちろん、アフリカ産のカナブン、ハナムグリなどもいろいろやった。その後、法律が変わるたびに輸入品目も変わり、電気代も大変なので辞めた。今は、何でも通販で手に入るので、基本的なものは今でも常にある。悪質な業者も多いので、一番安心な「むし社」で買うようにしている。ここは研究者からマニアまでいろいろな人が集まるので、店員も嶺プロ級の知識を持っている。東京に出たときには、よくよるので、分からないことはここで聞くのが一番だ。今いるカブトムシのマットは園芸用の腐葉土と培養土に発行マット少し加え、熟成したものだ。エサはいろいろあるが、高たんぱくでトレハロースやコラーゲンを多く含むものを使っている。こうした自然界にはないエサを与えるし、ほとんどの甲虫は自然の中で生きるより長生きをする。日本のカブトムシは捕まえたとき農家からの日数にもよるが、通常、2週間程度。小さいものだと、1週間から10日で死んでしまう。今いる大池さんの4頭のカブトムシは、いずれも型がいいので、まだまだ元気だ。(結局一番長く生きた♂は、9月2日まで43から44日間生きた。)


2015年7月30日木曜日

2015/07/30 根本さんの甲虫ノート

7月30日(木) 晴れ時々曇り 25℃~33℃
 前回仕掛けてきたトラップの回収に行こう行こうと思っているうちに忙しく数日が過ぎてしまった。その間にはかなり激しい雷雨もあったし、エサが腐りやすいのでもうダメだろうと思っていたが、今日、甥が車で近くまで行くというので、ついでに回収だけをすることにして同乗させてもらった。なるべく雨が入らないように、斜面に斜めに埋めてきたのだが、やはり2cm程の所まで雨水が入っていた。中がグジャグジャになっていて、何がはいっているのかまったくわからなかったが、中身をあけてみると、陸のハンター「アオオサムシ」が2頭入っていた。すでに死んでいたが、家に帰ってからよく見ると、赤系の色の強い♂と♀だった。(写真⑩1-4)


   
オサムシの場合♂と♀を見分けるには、前脚の跗節の違いを見るのが一番だ。♂は逆三角形で大きいが、♀は他の跗節と同じで細い紡錘じょうになっている。この2頭は溺死したためにメスは産卵管が出てしまっているし、体形も違うので分かりやすいが、小型のヒメオサムシなどは跗節を見ないと分からない。また、オサムシは地域変種が多く、色彩や見た目だけで判別できないものも多い。この2頭はノギスで計ってみると、ちょうど30㎜でアオオサムシとしてはやや小型だが、色彩は美しい。いずれにしても、これで大池付近にもオサムシ科のものが生息しているのが証明されたので、今後も色々なものが見つから可能性はある。特に、樹上のケムシを主に食べているエゾカタビロオサムシはオサムシにしては珍しくよく飛ぶので、期待できると思う。




2015年7月21日火曜日

2015/07/21 根本さんの甲虫ノート

7月21日(火) 晴れ 24℃~34℃
ずっと雨が続き、なかなか来られなかったが、梅雨明けと同時に猛暑となった。34℃~35℃と昔では考えられなかった高温となり、盆地や内陸部では37℃~38度といった酷暑となっている。やはり地球の温暖化は進んでいるのだが、今年の冬はかなり寒かったし、6月も梅雨とはいえ、気温の低い日が続いた。端にCO2の増加で温暖化が進んでいるだけではなく、色々なことが絡んで天候や気温が極端に振れるようになっていると思われる。
 まずは残り少なくなったクヌギの伐採木を見ておこうと思い、リュックを切株の上におこうとしたら、2頭のカナブンと型のいいカブトムシの♀が来ていた。(写真⑨1)

クヌギやコナラは生命力が強いので、切り倒されても、すぐに芽を出すし、切り口付近から樹液を出している。ここのクヌギは余りにも根元近くできられているので、いつまで持つかわからないが、関西などでは地上2~3m付近で切る。そうすると、クヌギは枯れることはなく生き続けるの出て、太いが余り高くない「ダイバクヌギ」と呼ばれるものになる。このダイバクヌギは、大クワガタの絶好の住処となるので、ブリーダーの人たちは、このダイバクヌギを回り、ワイルドのオオクワガタを採る。ただ、ブリーダーの人たちは、大クワガタの生態や他の甲虫には全く興味が無いので、木を手斧などで傷つけるので、我々マニアは非常に困る。それにしても、昨年はほとんど採れなかったカブトムシが♀とはいえ、前回のものとあわせて2頭となった。これで♂が獲れればブリーディングが出来るのだが、そう簡単にはいかない。次に周りにある日の当たらないところの伐採木を見ていくが、ナガゴマフカミキリ2頭とキマワリがいただけだった。(写真⑨2)

本命のわずかに残ったクヌギ材にはカミキリの姿はなく、本日もまた2頭のタマムシが産卵に来ていた。(写真⑨3)

玉虫は敏感だが、羽音が大きいのですぐに気付くし、スピードも遅いので、飛んでいる所をネットで採るのは簡単だ。一応、撮影だけして逃がしてやった。
 次にオニグルミのある広場へ向かう。トチュウノイドフキンデトウキョウヒメハンミョウを見つけた。図鑑などでは、山や林よりも都市の後縁の砂地などに多いとあるが、実際には餌となる小型のバッタやクモなどがいる所なら何処にでもいる。ただ、小さいうえにあまりにも動きが早く、すぐ飛ぶので分からないだけだ。(写真⑨4-5)

  
 我が家の狭い庭にもいるし、隣りの実家の寺の墓地にもいる。多田成虫や幼虫の餌となる小型の虫や少量の水が無いと生きていけないので、700坪くらいの墓地でもいる場所は4箇所くらいで範囲も3m四方くらいの所だけだ。ここ大池でも沢山いるのは、林の中の林道の2ヶ所くらいだ。それも、余りにもスピードが速いので、普通の人は全く気付かないと思う。私も目で見つけるのではなく、気配で分かるのであって、やはり経験を積まないと分からない。
 オニグルミのある広場では、最も小さいオニグルミの葉を後食していたコフキコガネを見つけた。(写真⑨6-7)

  
次にこの木の樹液に来ていたシロテンハナムグリを捕まえ、(写真⑨8)

撮影するだけにして逃がしてやった。いまさら採ってもしょうがないものは、撮影だけにしている。大きなクワの木にはキボシカミキリが1頭いただけで、トラフカミキリはまだいなかった。次にいつものように太いオニグルミの樹洞を覗くと、前回いたウスバカミキリが相変わらずいた。(写真⑨9)

更の奥にある小さなコナラやクヌギの若木には、前回同様、樹液を出しているものが3本あり、そこにはヨツボシケシキスイとオオキスイが何頭か来ていた。(写真⑨10-13)

  
 しばらく見かけない年が続いたが、今年は特によく見かけるようになった。夏の甲虫酒場には欠かせない存在なので、これらをみると安心する。カブトムシやクワガタはいなかったが、木のそばで小型のカブトムシのオスの死体を見つけたので、この付近の木にも来ているようだ(写真⑨15)

今まではここまでしか入れなかったが、この辺りも及川さんたちが整備したようで、かなり奥まで入れるようになった。太いオニグルミやコナラなどが沢山あり、中には多量の樹液を出しているものもあった。(写真⑨16-18)


   
間伐された樹木も多く、来年以降が楽しみだ。それにしても、少ない人数でここまでやるという事には頭が下がる。さすがは「宍塚の自然と歴史の会」だとつくづく思った。
 ここからはいつものコースを行くのだが、あまりの暑さにスポーツドリンクを飲んでしまい、最後の一口分しかなくなってしまった。いつもの500ccの水筒では小さすぎた。水分の確保は炎天下では一番大事なので、しまったと思ったが、どうしようもないので、ゲンベーヤマを見て回ることにした。ここも、大分間伐がされ、日光が下まで届くようになったので、樹液を出しているクヌギやコナラも多く、その中の1本でカナブンやカブトムシが集まっているものを見つけた。(写真⑨19-23)



    
地表付近に樹液が出ていて、まず目に留まったのは4頭のカナブンと2頭のスズメバチだった。こうした時は、冷静になって、その木全体と周りの状況を確認することが大事だ。よく見ていると、枯葉で隠れた根元付近へカナブンが潜り込んでいく。静かに枯葉をどけてみると、カブトムシの♂1頭と♀2頭が出てきた。♀はどちらも小型だが♂は良型で最近では珍しい。コクワガタの♂も2頭いるが、スズメバチがいるのでそれ以上探れない。見ているうちに、スズメバチは3頭となり、こちらを威嚇してくる。仕方がないので、虫よけスプレーをスズメバチに欠けると、カナブンは2頭が飛んで逃げたが、カブトムシは鈍いので動くことも無く樹液をなめ続けている。♀はすでに2頭いるので♂だけを捕まえて虫かごに入れた。これでブリーディングができるので、暑い中を来たかいがあったというものだ。ただ、この木にはスズメバチが多いので、一般の人は余り近づかない方がいい。
 ゲンベーヤマも大分間伐がされ、伐採木も多い。(写真⑨24-27)



    
今年はずっと宍塚入り口のクヌギの大木に時間を割いていたので、この辺りの伐採木は余りよく見ていなかったが、ここも来年は期待できそうだ。ただ、この木の種類がよく分からないので、そこが問題だ。ケヤキの樹肌に似ているのだが、葉が枯れかけているので何とも言えない。7割くらいのものは温帯照葉樹なので、クヌギやコナラ程ではないが、カミキリやほかの甲虫も来るだろうと思う。樹木はキノコと同じでいくら図鑑を見ても分からない。樹齢によって全く違うし、ウリハダカエデ、イタヤカエデ、クスノキ、スダジイ、ブナなどは一目でわかるがシイの木、アオダモ、ミズナラなど多くのものは分からない。詳しい人と現場を歩いて学ぶのが一番なのだが、そのような知人もいない。いずれにしても、ここにある伐採木の一部にはキイロトラカミキリ、ナカジロサビ、ナガゴマフが来ていたのは事実で、来年はもっとよく調査してみようと思う。実際、この日もナガゴマフカミキリが来ていた伐採木もあった。(写真⑨28-29)

また偶然だろうがアオドウガネコガネ(アオドウガネ)もいた。(写真⑨30)

毎年気になっているヤツメカミキリも前回まではいなかったが、今日はいつものヤマザクラでペアではなく単独でいた。(写真⑨31-33)

  
捕まえてみると、全体がグレーで、頭部と前胸背に茶系の色が入っている。ヤツメは色彩変化の多い種だが、このような色のヤツメは初めて見た。
 その後は、林の中の林道を行く。林の中は涼しく、紫外線も当らないので、残り少ない水分でも大丈夫そうだ。こちらとしては体は楽になったが、このようにほとんど人の手が入っていない林というのは、日光がほとんど入らず、太いクヌギやコナラはたくさんあるのだが、植物にとって最も必要な光合成が高いところにある葉だけでしか行えないので、樹液が出ていないか、出ていても高い部分なのでどうしようもない。ここには入れ始めた15~16年前にはノコギリクワガタの良型のものが採れたところはたくさんあったのだが、今は日当たりのいい限られたところでないと何もいない。林の中を歩いてみればわかるのだが、出口付近や一部のクヌギやコナラは太いものでも根元から2~3m位のところに太い枝があり樹液が出ている。ところが大多数のものは7~8m以上でないと太い枝がない。つまりは日照不足で樹液が出ていないが、出ていてもかなり高いところなのでどうしようもないという状況になっているのだ。こうなると、花を咲かせる低木もないし、伐採木もない。見た目には深い林に見えるが、実際には何もいない死んだ林といっても過言ではないだろう。(写真⑨34-35)

これは、何も大池付近の雑木林だけの問題ではない。里山や低山地帯は何処へ行ってもそういうことになっている。長年通った愛宕山などはもっとひどい。ミヤマクワガタはおろか、型のいいコクワガタすらいない。♀と間違うような小型のものはいるが、ノコギリクワガタも夜間採集で1~2頭採れればいい方だ。しかも、そうなったのはここ10年位の事だ。その点、ここ大池はずっといい生態系が存在している。林の中はいくつかのポイントを除いてはダメでも、日光のあたるゲンベーヤマまでの林道や出口付近、常磐高速沿いの林には、まだまだ多くの甲虫が存在し、コクワガタ、ノコギリクワガタ、カブトムシ、カミキリなどがいる。
 今日も、出口付近のクヌギの大木のあるポイントでは、(写真⑨36-39)


   
林道から少し入ったクヌギで良型のカブトムシの♂を捕まえた。(写真⑨40)

これでカブトムシの良型の♂♀2頭づつがそろったのでブリーディングができる。この付近のクヌギは南西から西にかけて日光がよく当たるので大木が多く、樹液の出ている場所を多い。6:00近くになって気温も下がり始めると、樹洞や木の割れ目などコクワガタが出てくる。その後はクヌギの根元付近の地中からノコギリクワガタが樹液を求めて姿を現す。まずはかなり小型で大顎も湾曲していないノコギリクワガタの♂を見つけた。林道からは見えない少々奥へ入ったクヌギなのだが、ここは地表付近に樹液が出ていて、よくノコギリクワガタが採れるポイントだ。(写真⑨41-42)

しかし、この木にたどり着くのが八編で、雑草と笹をかき分け、ジョロウグモの巣をネットで壊しながら進むが、それでも蜘蛛の巣と芥でひどいことになってしまう。その後もこの付近のクヌギの大木を見て回ると、その中の1本で中型のノコギリクワガタの♂1頭を捕まえた。(写真⑨43-44)

  
これはあまり大きくはないが、大顎が湾曲したなかなかのものだ。この2頭のノコギリクワガタも家で飼うことにした。本当はここからが本番なのだが、家の事もあるうえ、夜間採集の用意もしてなかったので、PM7:00頃に帰ることにした。帰りに常磐高速沿いの道にあったクリの木でクリアナアキゾウムシを採った。(写真⑨45)

 また、この日は、以前hanaさんから言われた歩行性甲虫を調べてほしいという事を思い出し、ゲンベーヤマ系斜面に、ガラス瓶の中に外国産甲虫用のゼリーと黒蜜を混ぜたトラップを仕掛けてきた。糖蜜採集なので、狙いはオサムシだ。愛宕山のように車道に深い側溝がある所では、それが自然のトラップと生るのでオサムシやゴミムシが多数獲れるが、下草や落ち葉のある里山では難しいので、石や倒木の下を見るくらいしかやっていなかった。しかも、オサムシ、ゴミムシ、ハンミョウなどの歩行牲甲虫は平地では種が限られるので、こちらもあまりやる気にはならなかった。ただ、これだけの里山なら、アオオサムシとマイマイカブリ位入るだろうとは思っていたので、今回は試しにやってみた。オサムシというと食虫甲虫の代表で、毛虫でもミミズでも何でも食べる。狭いケースなどで飼うと、共食いもする凶暴な甲虫だが、これが意外にも糖蜜によく来る。ゴミムシを狙うなら腐肉か生のドッグフードがいいが、オサムシは糖蜜採集というのがマニアの常識だ。
 また、これは余談なのだが、今日は帰りに林の出口付近の林道でマムシにあった。大池付近では2度目だが、マムシは子どもの頃からよく見ているので、別に堂という事もないが、見ていると、先ほどまで私がクワガタを採っていた林の中へ入っていった。マムシは、こちらがジッとしていれば何という事もないのだが、これがあの林の中にいるとなると、笹や下草で下は何も見えないので、うっかり踏んでしまったりすることもあるかもしれないので、気をつけなければならない。特に、マムシがとぐろを播いているときには、攻撃態勢に入っている上に、その体制から70~80cm位はジャンプするので、少し筒静かにそのままの姿勢で下がり、2m以上離れた方がいい。